; oi: 1月 2011

2011年1月13日木曜日

破壊的イノベーション-Focus 3D-

本日FARO社の最新の三次元レーザスキャナFocus3Dを使った計測実験を行った。その時に想ったコトを備忘録代わりに載せておく。


これがFocus 3Dだ。

最初に見て驚いたコトはその圧倒的なコンパクトさである。
以前のスキャナ(FARO Photon120)を知っている僕らには本当に衝撃的な小ささであった。
体積、重量、価格ともに比べて半分以下なのだから。

以前のスキャナは運ぶのにしてもコロコロのついた大きなケースを引きずっていかねばならなかった。それがFocus 3Dは片手で持てるハンドバックサイズになった。加えて、タッチパネルを用いれば、スキャナコントロール用のパソコンも必要ない。

これはChristensenのいうところの破壊的イノベーションとなりかねないのではないだろうか。

土木・測量系のニーズにもとづいて発達してきた3Dレーザスキャナ。Focus 3D以前のスキャナは計測範囲・計測精度・計測速度にもっぱらの関心を寄せ、開発を行ってきた。Focus3Dのコンセプトは明らかに従来のものと異なり、そのような性能は特段向上していない。


それと引き替えに開発したものは圧倒的な手軽さだ。


現在行われている三次元計測は土木、プラント、自動車業界でしか使われていない。
今回三次元計測が手に入れた手軽さは多様な業界に波及する起爆剤になりうるのではないだろうか。

ちょっとスキャナを持って、さっと測って帰ってくるといったお手軽三次元計測が可能になった。
何でもいい。3次元で記録したいものがあるなら必見。


2011年1月10日月曜日

最小二乗法と非線形最適化についてのメモ

非線形最小二乗法の備忘録。

n点m変数の誤差関数を考え、目的関数を誤差の二乗和とする。

Jはヤコビ行列(n×m)
Fは残差のベクトル(n×1)
sは変数ベクトル(m×1)

更新式
$$
\begin{eqnarray}
s_{k+1} = s_k + \Delta s
\end{eqnarray}
$$
に対して

Gauss-Newton法
$$
\begin{eqnarray}
J^TJ\Delta s = -J^TF
\end{eqnarray}
$$


・非線形関数を線形近似した解がΔsとなる。これを更新式として、反復を行う。収束が早いことが特徴。

Levenberg-Marquardt法
$$
\begin{eqnarray}
(J^TJ+\lambda I)\Delta s = -J^TF
\end{eqnarray}
$$

・Gauss-Newtonの改良版。擬似逆行列が存在しないときGauss-Newton法の更新式は破綻する。これを改善したのがマルカート法である。具体的には、一般化行列の対角成分をλだけ大きくすることで逆行列の存在を保証するのである。
またλ→0の時マルカート法はGauss-Newtonと一致し、
逆にλが十分に大きい時、最急勾配法と一致した方向を向く。
つまり初め大きいλを用意しておき、収束するにつれ、減衰させることで、安定かつ高速な収束を実現できる。