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2016年6月4日土曜日

お酒が進む!ポテサラ編

「家飲みを極める」を読んでさっそく再現してみたポテトサラダ。
   応用の利くレシピとは?〜家飲みを極める〜




記載されていた要素を整理してみると、

おつまみに最高なポテサラ=
 ホクホクじゃがいも×アクセント素材×オニオンスライス×コクを出す味付け×食感×風味

と考えられる。

今回は以下の組み合わせにしてみた。

 ホクホクじゃがいも×オイルサーディン×オニオンスライス×オリーブオイル&マスタード×アーモンド×バジル


レシピは以下のとおり。

①オニオンスライスを作る
詳しくは本を読んでいただきたいが、ポイントは
・辛みを抑えること
・シャキシャキ感を残すこと
の2点である。
繊維に沿って薄くスライスしたあと、1%の塩水に30分ほど浸しておく。
(10分でも可)

②ホクホクじゃがいもを作る
よく洗ったじゃがいもに十字の切れ込みを入れておく。(あとで皮が剥きやすくなる)
ラップでふんわり包み、電子レンジで3分加熱。このとき、レンジの真ん中ではなく、熱の伝わりやすい外側に置くこと。
じゃがいもをひっくり返してさらに2-3分加熱する。

じゃがいもの加熱についてはこちらを参照
応用の利くレシピとは?〜家飲みを極める〜

③じゃがいもの皮をむき、潰す
熱いうちに皮をむく。キッチンペーパーでくるみ、竹串などでむくとやりやすい。
ホクホクなので簡単に潰せる。

④オニオンスライスと味付け用材料を混ぜる
マヨネーズは大さじ2程度、オリーブオイル大さじ2、マスタード小さじ1、胡椒適量

⑤アクセント素材を混ぜる
オイルサーディン1/2缶程度を潰しながら混ぜ合わせる。

⑥盛り付け&仕上げ
アーモンドスライスをオーブンで軽く焼いて上に乗せる。
最後にバジルを振りかけて完成。


オニオンやオイルサーディンのアクセントが日本酒にピッタリだが、
オリーブオイルやバジル、マスタードの味付けが白ワインにもよく合う。


さらに、ポテサラの素材を変えれば無限にアレンジ可能なので今後も試していきたい。

アクセント素材
  →ベーコン、アンチョビ、ツナ、生ハム、スモークサーモンなど

コクを出す味付け
  →バジルペースト、ゴマ油など

食感
  →クルミ、ナッツ、揚げワンタンなど

風味
  →小ネギ、紫蘇、ハーブ、胡麻など


ちょっとした工夫で家飲みをより楽しくするために、是非この本を読んでいただきたい。


oi: 応用の利くレシピとは?〜家飲みを極める〜

応用の利くレシピとは?〜家飲みを極める〜

単なるおつまみレシピ本ではない




実験を通じて科学的に、(時に主観的に)、試行錯誤しながら、美味しく、かつ現実的な調理法について、検証のプロセスを含めて紹介されている本。

普段の調理の際に、クックパッドなどのレシピはよく見ているが、全てをレシピ通りに作ることはない。
材料や器具の制約、時間の制約、好みにあわせて、多少なりともアレンジして作るのが普通ではないだろうか。

本書はもちろんレシピを紹介しているのだが、そのレシピに至った過程が示されているため、
レシピの中でも
「レシピ通り忠実に行うべきところ」
「アレンジできるところ」「アレンジする際の観点」
が明確にわかる。

「本質を捉えて自分なりにアレンジができる」という点で、非常に有用なレシピ本だと感じた。


我が家のポテトサラダがいまいちだった理由

さっそく試してみたのがポテトサラダ


ポテトサラダはいままでもよくおつまみとして作っていたが、じゃがいもを加熱する方法については、いつも火が通りやすいように皮をむいて小さめにカットし、器に入れたものを電子レンジでチンしていた。
いつもなかなか熱が通らず、じゃがいもは硬いままで潰すのも一苦労だった。

しかしこの加熱方法が間違いだった。

じゃがいもの加熱方法について、本書の中では6パターンの実験を行い、ホクホク感、甘さ、粘り、水っぽさ、硬さの観点で検証されている。

結論だけ言うと、水から茹でると甘くなるが硬くなり、カットせずに丸ごとラップで包んでレンジでチンすると、一番ホクホクするという結果であった。

これだけ聞いてもピンとこないが、
 なぜ水から茹でると硬くなってしまうのか?という点について、
科学的にきちんと説明が書いてあるので納得度が高い。
また、メカニズムがわかるので応用ができる。
そして、材料の性質に基づいた結果であるため、再現性が高い。

さっそく、じゃがいもを洗って皮のままラップに包んでレンジでチンしてみたが、
レンジから取り出した時の香り、潰す感触、全く別物だった。
ホクホクのじゃがいもなので、潰す力もいらず、結果的に楽になった。

半分騙された気持ちでやってみたが、調理法でここまでも変わるのかと
驚くほど美味しいものが出来上がった。


もちろん、蒸し器で蒸すのが一番ホクホクで美味しいじゃがいもになるとのことだが、
忙しい中、おつまみとして一品作りたいというシーンでは、この「丸ごとレンジでチン」が一番コスパが良い。
ちゃんと現実的なソリューションを提供してくれるのも、本書の良いところだ。




おまけ〜ホクホク感の決め手はペクチン

じゃがいもの細胞壁に存在するペクチンは、温度によって変化する。

加熱前
ペクチンが細胞同士を強く結びつけているため、硬い。

加熱開始
ペクチンが水に溶けて結合が緩む

50-80度  (65度前後)
酵素によってペクチン同士が結合する。=硬化現象

80度以上
酵素が死んでしまうため、ペクチンが分解されて煮崩れしやすい。
しかし、硬化現象が起こった後では、80度以上になっても結合は崩れにくく、煮崩れしにくい。

よって、水から茹でると硬化現象が起こりやすく、煮崩れはしにくいが硬くなってしまう。
ホクホク感を目指すにはあまり向いていないということだ。

oi: お酒が進む!ポテサラ編

2015年6月28日日曜日

日本酒の「キレがある」とは?

日本酒を味わう会

日本酒を味わう会に参加してきた。
各自1本以上の自慢の日本酒(四合瓶/一升瓶)とまいおちょこを持ち寄り、
まいおちょこに注いで、飲んで、味わって、感想を共有しながら、
次々に日本酒を回していく。

今回は30人以上の参加者がいて、一度に40本以上の日本酒を味わうことができた。また、参加者が持ってくる酒は「自慢の」日本酒であり、1つ1つのお酒も入手困難なハイレベルな逸品であるため、大変満足度の高い素晴らしい会であった。



客観的っぽい主観的なコメント

様々な日本酒を味わう中で、自分を含めた参加者は次のようなコメントをそれぞれのお酒について述べていく。


  • 「甘い/辛い」
  • 「キレがある」
  • 「酸が強い」
  • 「ひねがない」

etc...

「おいしい」「苦手」といったコメントは明らかに主観的なコメントであるので、真偽を確かめることができないし、確かめることに意味がない。
しかし、上記のコメントは一見、日本酒に関する客観的な属性について述べているはずなので、正誤が気になってきてしまう。
実際、共感できるコメントもあれば、疑問を感じるコメントや何を意味しているかわからないコメントも多くあった。

では、なぜこのように理解できないコメントが発生するのであろうか。

解せない理由

例えば、「きんきんに冷えていて美味しい」というコメントであれば、
温度に対する情報であることがわかる。

これについて疑問を持つとすれば、「冷えている」というのが絶対的な情報ではなく、あくまで相対的な情報なので、普段から比較的冷たいものを飲んでいる人からすれば、この程度で「きんきんに冷えている」といえるのだろうか、と想ってしまう場合くらいであろう。

つまり、何に関するコメントは理解できるが、その内容が主観的な相対的情報であるため、万人で一致しない場合である。

しかし、「キレがある」「ひねがない」というコメントは、自分のような未熟者からすると、どのような観点についての情報かも正しく認識できない。「キレがある」とは日本酒を口に含めた場合に感じるどの要素がどうであることを意味しているのか・・ということがわからないのである。

まとめると以下のような場合で、コメントが解せない場合がありそうである。

  1. どの観点/軸の情報かわかる if not 何について話しているのかわからない。
  2. ある観点/軸の認知/知分解能が同じ if not  感じ方の粒度が粗いため、細かい差異がわからず、細かい違いに関して再現性がなくなる 
  3. ある観点/軸の感じ方の平均が同じ if not 相対的な表現にズレが生じる。

3.については、飲み比べをしながら、前の日本酒に比べてどうこうといえば問題にならない話である。1,2について、もう少し考えてみる。

共通の表現をどのように得るか

通常、生活の中で共通の「ある表現」「ある言葉」を得るためには、その言葉が何を指しているのかが理解できる必要がある。概念としては認識できているが、その概念に共通の名前がないだけの場合は比較的容易に言葉を得られる。(例えば、英語圏の人との共通の表現を得る場合、「犬」という概念を認識できていれば「dog」がすぐわかる。)

問題となるのは、概念としてそもそも認識できていない場合である。
「キレがある」という表現を獲得しようとした場合、得る方法は2つあると考える。
1つ目は、メタファーを利用するということである。同様の表現を日本酒の世界に引きずり込んで当てはめるという方法である。例えば、ビールの「キレがある」を認識できている人に、日本酒も同じようなものであることを伝えれば(自分は同じようなものかどうかもわからないが、、)、その言葉を獲得できるかもしれない。
2つ目は、「キレがある」群と「キレがない」群を飲み比べることで、学習する方法である。ある程度の分解能があれば、各要素の違いから、「キレ」のあるなしを認識できるようになると想われる。そのためには、キレがあるものとキレがないものを明示した学習利き酒セットが必要であろう。

最後に、分解能をどのように得るかという問題であるが、これはその分野を絞ってとにかく多く経験することが必要である。特定の分野に絞って、多くを経験すると、その分野の中で違いを見極めるポイントが認識できるようになる。例えば、自分は子供の頃、欧米の方の顔の識別が苦手であったが、ハリウッド映画を見たり、実際の欧米の方と出会う中で、顔の違いがわかるようになった。どこで識別しているかは言葉にできないのであるが。また、識別する必要性(映画のストーリーの把握など)が存在すれば、学習のスピードは加速する。