; oi: 2月 2016

2016年2月14日日曜日

今更聞けない Google Scholar アラートによる新着論文確認

今日、論文検索の際に Google Scholar を利用しない方はいないと言っても過言ではないと思われるが、特定の条件を満たす新着論文をアラートする機能があるのをご存知であろうか?自らGoogleを用いて検索せずとも、予めキーワードや著者名の条件を登録しておけば、条件に合致する新着論文を特定のメールアドレスにアラートメールを送ってもらえる。

備忘のため、その設定方法について説明する。

アラートの作成

検索窓しか利用されない方は気付かなかったかもしれないが、以下の図のようにGoogle Scholar トップ画面上部に「アラート」というボタンが存在する。



クリックすると以下のような、登録されている条件の一覧が確認できる。その下部に「アラートを作成」というボタンがあるので、そちらをクリックする。


キーワードによる条件指定

自分がアラートメールを送ってもらいたい新着論文の条件を「アラートのキーワード」欄に記入し、宛先のメールアドレスを指定する。また、何件までアラートを送信するかを選択可能である(※最大で20件まで)。

例えば以下の例では、[physics and mathematics]というキーワードを入力している。画面下部にサンプルの検索結果が表示され、論文中に当該キーワードを含む論文が表示されているのがわかるであろう。通常のGoogle検索同様、スペース区切りはAND検索となる。


Phraseによる条件指定

Phraseによる条件指定を行いたい場合は、Google検索同様 ダブルクォーテーション(”)で単語列を挟めば良い。以下の結果をみればわかるように、”physics and mathematics” というフレーズを検索できていることがわかるであろう。


メタデータ(タイトル, 著者)による条件指定

全文情報の中に特定の文字列、フレーズを含む場合のアラートの作成については触れた。タイトルに特定の文字列を含む場合や著者名に特定の文字列を含む場合の条件も記述可能である。以下の例では、[intitle:]というメタデータを指定することで、タイトルに「physics」を含む論文のみをアラートの対象とすることが可能となる。
ちなみに、著者名で絞り込みを行いたい場合は[author:]という指定をすれば良い。


その他のアラート条件指定方法

[OR]: OR検索が可能となる。例: [physics OR mathematics]
[-]: NOT検索が可能となる。例:[-physics]
[+]: 自動的に検索対象外となっている語を明に含めることが可能。例:[+the]

その他のアラート作成の方法

通常のGoogle Scholarを用いた検索を行う際に、良い検索クエリを思いついた場合には、そのクエリをそのままアラートとして登録することが可能である。以下のように、検索結果画面の、左サイドバーの下に「アラートを作成」というリンクが存在する。


アラートの到着

指定した条件に合致する論文がGoogle Scholarに登録されたタイミングで、アラートメールが送信される。メールの内容は、タイトル、著者、論文誌、年度、アブストラクトの一部である。

参考



オリジナル!トイレットペーパーホルダーカバーの作り方(3)〜本体編〜

それではいよいよメッシュシートを活用した、トイレットペーパーホルダーカバーを作成していきます。


一番上のカバー部分と、スペアを入れる部分、そして両者を繋ぐ接続部分の3ブロックで考えました。
接続部分は、既存のカバーを使用できない原因となっている、壁とつながっているところ(以下の写真参照)を考慮した構造にする必要があります。



そこで、接続部分は左右にパーツを分けてスペア部分とクリップで繋ぐ構造にしています。
全体像は以下の写真のとおりです。


では順に作り方を解説していきます。

1. カバー部分
カバーのサイズにあわせてシートをカットします。
以下の①と②のようなイメージ。

それぞれのシートに好きなパターンを作っていきます。
私はグラデーションのパターンにしました。
メッシュシートのパターン>>オリジナル!トイレットペーパーホルダーカバーの作り方(2)

そして2枚のシートをまつり縫いのようにしてつなぎ合わせます。
こうすると蝶番のようにカバーと連動して動くようになります。


最後に、カバーに固定できるように裏にゴムを縫い付けます。



2. 接続部分
2枚のシートに市販のクリップをつけます。
(インテリアショップや小物屋さんに売っています)



こちらも好きなパターンを作り、1で作成したカバー部分とつなげます。
実際にはこの部分は隠れてほとんど見えません。



3. スペア部分
スペア部分は1枚の長いシートをくるっと丸めて作りました。
以下の写真のようになることをイメージして、サイズを測ります。


また、①の部分と②の部分でパターンを変えてみました。
同じパターンでもかわいいと思いますが、裏表が異なるので注意してください。

以下のように、①の部分についてパターンを作っていきました。


パターンを拡大するとこんな感じです。
グラデーションや鎖編みを混ぜて模様を作ってみました。



最後にこれらを繋げて完成です!


スペア部分はクリップで挟んでいるだけなので、取り外しも簡単にできます。
メッシュシートが芯の役割を果たしてくれるので、スペアのトイレットペーパーの出し入れもしやすく、オススメです!
ぜひ作ってみてください。


2016年2月7日日曜日

モノとコトから考える仕事の本質とは?

最近、仕事の本質について考えるきっかけとなった良書を読んだので、共有したく思う。また、その概要とつらつら考えたことを以下に記す。



本書における仕事の捉え方

本書では、仕事を以下のように定義している。

仕事とは、「行わねばならないこと」を「体や頭を使って行うこと」。
また、

「行わねばならないこと」とは、仕事の対象の「始めの状態」を「終わりの状態」に変えること。
仕事の対象の中でも、二次的な対象ではなく、行わねばならないことに直結するような本質的な対象のことを要のモノと呼ぶ。また、要のモノの「始まりの状態」と「終わりの状態」の間の状態変化を起こす作用のうち、適切に抽象化•シンプル化した作用を基本変換、要のコトと呼ぶ。

まとめると、以下の図になる。


モノとコトで仕事の本質を考えるメリット

このような仕事の捉え方は業務改善にと大きく貢献する。要のモノ、要のコトを基にして、仕事の本質を正確に捉えることで、それ以外のぜい肉部分、仕事のムダを削げ落としていくことが可能となるからだ。

これは目的と手段を切り分けて考えることを強制する思考法といえる。
シンプルな仕事の本質(=要するに何をどの状態にすれば良いのか?)を目的として設定することで、手段(どのように状態変化を起こすか)については、より良いものを考える余地を残す。普段の業務における複雑な関係性の中で、自らの仕事を見つめ直す場合にこの強制力は有効である。

また別の側面から見れば、仕事の主体・アクターではなく、仕事の対象に注目した思考法ということもできる。
主体者中心に仕事の本質を考えてしまうと、どうしても主体者自らの先入観や習慣や、作業時の感情などを含んでしまい、本質を正しく捉えにくい。
そこで、

  • 対象を起点とし、
  • 対象を中心に、
  • 対象の気持ちになって仕事をとらえていく、

といった考え方が重要となる。仕事の対象に目を向け、要のモノとして定義することが、本思考法の起点となる。対象を知ること、観察することがより良い仕事をするための原点であるという考え方である。

このような考え方はシンプルであるが故に汎用性も高く、様々な仕事に適用できる強力な思考法だと考えられる。特に、複雑になりがちな、組織横断的な現行業務プロセスの分析、無駄の排除を考える上では、特に有効に働くのではないだろうか。

モノとコトで仕事の捉えた例

この考え方に沿って一つ例を挙げる。
「お茶を淹れる」を仕事を考える。

この作業において、要となるモノとしては茶葉とお湯である。
終わりの状態としては、「80度程度のお湯に茶葉からお茶の成分が適度に溶け出している状態」ということができよう。
また、始まりの状態としては、「茶葉と水の状態」といえる。

「茶葉と水の状態」を「80度程度のお湯に茶葉からお茶の成分が適度に溶け出している状態」に変換する基本的な変化は何か?本質的な変化、つまり要のコトは以下の2つであると考えられる。

  • 熱する(水→80度程度のお湯)
  • 拡散する(茶葉→適度に茶葉の成分が溶け出している状態)

要のコトを捉えた後に、手段を考えると工夫できるポイントが明確である。

熱する手段としては、ポット、やかん、電気ケトル・・様々な熱し方がある。同様に、拡散する手段としては、お湯に浸して自然に拡散するのを待つという手段や、茶葉から成分を事前に取り出しておいて適度に後からお湯に混ぜるという方法でも良い。
今回の自分の置かれた環境や制約条件などを加味して最も良い手段を考えればよいのである。

ただし、忘れていけないことは、お茶を淹れるためには、水を熱してお湯にする必要があり、茶葉の成分を拡散させる必要があるということだ。これはお茶を淹れるためには必須の作業でこれを代替することはできない。これが要のモノたる所以である。

モノとコトから仕事の本質を考える落とし穴

しかしながら、このような有益な思考法であるが、出版されたのが2003年ということもあり、重要な観点が抜けていると考えられる。

残念なことに、本思考法においては、既存の仕事およびその対象となるモノありきで考え始めてしまう嫌いがある。この時に抜けたり漏れたりしてしまう観点としては、そもそもその仕事はどなような価値を顧客に提供しているのか?という観点である。これは、"行なわなければならないこと"に対するWhyを検証しきれない可能性を孕んでしまう。つまり、なぜ行なわなければならないか?についての思考が深く行えずに、盲目的に行なわなければならないとした時の最適な手段を考えることになる場合があり得る。
また、対象の状態については、なぜその状態が嬉しいかを見直すきっかけにはなるであろうが、そもそもなぜその仕事はそのモノを対象としているのか、という重要な質問を考える契機を得られない。

近年一層複雑化する社会において、各人の価値観の多様化も著しい。そのような状況において、本当に行なわなければならないことを見直し、誰にどのような価値を提供するのか?というより基本的な問いに、今こそ答えていく必要があるのではないだろうか。