本稿では、実際の大手キャリアを解約し、iPhone SE SIMフリー版とFREETEL SIMカードを購入し、利用するまでの手順について、自身の経験を基にまとめた。
不本意ながら、毎月大手キャリアに高額な通信料を支払っている人は大勢いるであろう。最近、格安SIMという単語はよく聞くが実際どうすればいいかわからない。大手キャリアから乗り換えたいけれど、乗り換え方がよく分からない。そのような何かしらの不安を抱える方々に参考になれば幸いである。
大きな流れは、以下の通りである。本稿は以下の流れに合わせて詳細を記す。また、最後に2年間分の費用の試算結果を加える。
- 格安SIM対応の端末の購入
- MNP予約番号の取得
- 格安SIMカードの購入
- APN設定
1. iPhone SE 64GB SIMフリー版の購入
SIMフリー版のiPhoneは、以下の2通りの買い方がある。というか2通りしかない。
(SIMフリー版のiPhoneはどの量販店、キャリア店舗でも購入できない)
・アップルオンラインショップ
http://www.apple.com/jp/shop/buy-iphone/iphone-se
・Apple Store
http://www.apple.com/jp/retail/
Apple Storeに直接赴いて購入する際は、その場で現在保有しているiPhoneの下取りが可能であり、下取分をiPhone SE購入代金から差し引いてもらえる。
しかしながら、Apple Storeでは、事前にiPhoneSEを予約することができないため、自由時間の多くない会社員の方は、オンラインショップにて予約し自宅に配送の方が現実的であろう。
オンラインショップで購入する場合も、後から郵送にて下取に出すことは可能である。後にApple Storeギフトカードが郵送される。
・Apple Renew プログラム
http://www.apple.com/jp/iphone/trade-in/
https://reuserecycle-apple-jp-asia.brightstar.com/is-bin/INTERSHOP.enfinity/WFS/BrightstarAPAC-JPAPPCON-Site
オンラインショップで予約・購入する場合は、在庫薄らしく、到着に1ヶ月程度はかかると思っておいた方が良い。私の場合は、手元にiPhoneが届くまでに25日を要した。
※ iPhone SE 64GB SIMフリー版の費用
ーiPhone SE 64GB SIMフリー版 59,800円
ーAppleCare+ 12,800円
その他の注意点として、量販店などで購入できるキャリア毎にSIMロックされたiPhoneは格安SIM(MVNO)利用のためにSIMロック解除手続きが必要となるので注意されたい。特にSoftBank系MVNOは存在しないため、SoftBankスマホでMVNOを利用したい場合、SIMロック解除が必須となる。(MVNOのほとんどがドコモ系)
2. MNP予約番号の取得
既存のiPhoneなどの電話番号を引き継ぎを行いたい場合は、MNP(Mobile Number Portability)予約番号の取得が必須となる。
SoftBankの場合、下記URLから電話で取得可能で、オペレータの方と5分程度の会話で非常にスムーズに取得できる。
電話が完了すると同時に、当該電話番号にSMSにてMNP予約番号、有効期限が送られてくる。
http://faq.mb.softbank.jp/smart/detail.aspx?cid=369&id=369&categoryId=0&catParentName=&categoryName=
取得したMNP予約番号は、15日間有効である。また、引き継いだ時点をもって初めて、解約完了となるので、15日間MNPを行わない場合、今までどおりのキャリアに支払うこととなる。
※SoftBank解約時の費用
ー 契約解除料 9,500円 (更新月でない場合)
ー MNP転出料 3,000円
3. FREETEL SIMカードの購入
格安SIMカードの多くは、オンラインで購入可能であるが、MNP手続き完了後は既存のSIMカードは利用できないため、新しいSIMカードが届くまでは空白の期間となってしまう。
なので、できれば量販店に赴いて、MNP手続きをしてもらうと空白時間ほぼゼロで移行できるようになる。
私の場合は、ヨドバシカメラ秋葉原店にてFREETEL SIMカードを購入したが、1時間程度でMNP手続きが完了した。(この時点でSoftBank側も解約手続きを終えており、利用者は特に何もする必要はない。)
・その他のFREETEL取り扱い店舗は以下のURLを参照されたい。
https://www.freetel.jp/shoplist/
・FREETEL SIMカード購入時に必要な書類、情報は以下の通りである。
ー運転免許証
ーMNP予約番号(2.で取得したもの)
ー購入したiPhoneSE(購入したSIMカードをその場で挿入し、利用可)
・また、以下のことに注意されたい。
ーMNP手続き完了後、既存のiPhoneに含まれたSIMカードは利用できなくなる。
ー店舗の営業時間とは別に、MNP対応可能時間がある(ヨドバシ秋葉原店の場合は、9:30〜20:00のみ対応可)
※FREETEL SIMカード購入時の初期費用
ー契約事務手数料(新規契約時) 3,000円
3'. 購入したFREETEL SIM カードについて
今回、私が購入したのは、以下のSIMカードである。
FREETEL SIMの最大の特徴は従量制であることだ。定額時の差分が無駄になってしまうのではなく、ひと月ごとに使った分だけ支払えば良いので、無駄なく利用できる。
また、iPhone専用の本SIMカードは、Apple Storeからのダウンロード時のパケットは対象外となるため、やたら多いアップデートも気兼ねなく行うことができる。
・FREETEL SIMカード料金(従量制)
「使った分だけ安心プラン(ドコモ回線)」 for iPhone
https://www.freetel.jp/price/iphone/
※FREETEL SIMカードの毎月の費用(実績を基に予測)
ー月額使用料 2,220(円/月) ∵自分の4GB程度利用している(2016/2)
(3GBに抑えれば、1,600(円/月)となる)
以下、「使った分だけ安心プラン」月額基本料金である。
種類
|
~100MB
|
~1GB
|
~3GB
|
~5GB
|
~8GB
|
~10GB
|
データ専用
|
¥299
|
¥499
|
¥900
|
¥1,520
|
¥2,140
|
¥2,470
|
データ専用+SMS
|
¥439
|
¥639
|
¥1,040
|
¥1,660
|
¥2,280
|
¥2,610
|
音声通話付
|
¥999
|
¥1,199
|
¥1,600
|
¥2,220
|
¥2,840
|
¥3,170
|
※表示価格は税抜きです。
※電話のみのお申し込みはできません。
※iPhoneをご利用の場合は「FREETEL SIM for iPhone」を使用することで、AppStoreダウンロード時に発生するパケットを課金しません。
4. APN設定
iPhone端末に手に入れたSIMカードを挿入するだけでは、まだインターネット通信はできない。最後に各SIMカード発行会社のAPNを設定する必要がある。APNとは、Access Point Name の略で接続先を表す識別子のことだ。大手キャリアにてiPhoneを購入した場合は、事前にこの設定を終えているため利用者はAPNについて気にする必要はない。今回の場合、FREETELのAPNをiPhone端末に設定する必要がある。
どのようにAPN設定するか?
APN設定といっても、何ら難しいことはない。WiFi接続可能な環境にて、各社が出しているAPN設定のためのプロファイルをダウンロード&インストールすれば良いだけである。(30秒程度)
詳細は、以下を参照されたい。
端末別APN設定方法|高速の通信速度と充実の料金プラン FREETEL(フリーテル)の格安SIMカード
※注意点としては、APN設定後の端末を「既存のiPhone端末バックアップ」から復元する場合、本設定が消えてしまう場合がある。私の場合もAPN設定が消えてしまったため、再度プロファイルのインストールを行った。
5. 費用計算
SIMフリー版 iPhoneと格安SIMカードを用いた場合の料金シミュレーションを行う。
まず、費用部分をまとめると以下のようになる。
・イニシャルコスト
※ iPhone SE 64GB SIMフリー版の費用
ーiPhone SE 64GB SIMフリー版 59,800円
ーAppleCare+ 12,800円
※SoftBank解約時の費用
ー 契約解除料 9,500円 (更新月でない場合)
ー MNP転出料 3,000円
※FREETEL SIMカード購入時の初期費用
ー契約事務手数料(新規契約時) 3,000円
・ランニングコスト
※FREETEL SIMカードの毎月の費用(実績を基に予測)
ー月額使用料 2,220(円/月) (4GB程度)
次に、今回の費用を2年間利用するとして、月額換算してみる。
総イニシャルコスト: 88,100円
→ 88,100円 / 24ヶ月 = 3,671(円/月)
となるので、元のランニングコストと合計し以下の金額となる。
5,891(円/月) × 1.08 = 6,362(円/月) (税込)
これは、これまでの月額利用料に比べ、2500円以上安いため、2年間利用すると、60,000円以上の差となる。
また、2016年6月3日より、FREETELのキャンペーンも行われており、先ほどのランニングコストから、6ヶ月間1GB分の料金が差引かれ、以下の金額となる。
1,721円(6ヶ月間のみ)
よって、さらに3,000円分お得になる。
・最大1年間0円キャンペーン
https://www.freetel.jp/campaign/camp_20160603/?_ga=1.226356378.124820628.1465028243
6. 電波や通話品質について
格安SIMということで電波について気になる面はあったが、今現在何の問題もなく利用できている。混雑時や地方に行った際の電波状況については、再度追記していこうと思う。
7. まとめ
iPhone SE SIMフリー版とFREETEL SIMカードを購入し、利用するまでの手順についてまとめた。結果として、非常に簡単に乗り換えることができた。格安SIMは怖くも面倒でもなかった。
格安SIMに興味があるが、最初の一歩を踏み出せていない方々に本稿が参考になれば幸いである。
2017/3/12 追記:2016/6~2017/2までの利用実績を基に、累積利用料金について算出してみたので、併せて参照されたい。
【続報】流行りの格安SIMに乗り換えてみた(iPhone SE 64GB SIMフリー版+FREETEL SIM for iPhone)